「システムトレード」とは何か ~その2~
さて、問題の「システム」とは何か?
はじめに言っておくが、そもそもシステムトレーダーが「システムとは・・・」と語り始めても一円も儲からない。
そんな儲からない話を、「どれどれ聞いてやろうか」という奇特な読者のために、かなり大げさかつ結構まじめに考えてみる。
私もシステムトレーダーとして駆け出しの頃、グーグル先生が紹介してくれるシステムトレーダーの記事をすべてプリントアウトしては1字も逃さず読み込んだ。
多変量解析を用いたマルチファクターモデル・・・
ニューラルネットによるモデル構築・・・
回帰分析によるトレンド定義とは・・・
当時のシステムトレードの世界は情熱に溢れていた。
かの土屋賢三という本物が表に現れ、意識の高いシステムトレーダーが、「こう考えてはどうだ?」「おれはこう考える!」と熱い議論を交わす。
興奮を抑えられず、体を震わせながらむさぼるように読み込んでいった。
やりたい・・・
おれにはできるか・・・
努力しても無駄か・・・
システムトレードへの興奮と不安が、心を満たしていた。
懐かしいな。
当時、相当量のシストレ関連の記事を読んでいたが、「マーケットに勝つには」「儲けるには」という記事がその大半を占め(※儲かる結論が書いてある記事は殆ど皆無である)、それはそれで素晴らしいのだが、「システムとは何か?」を追求したものは目を通した記憶がない。
おそらく、そんな一見自明の概念を再考するゆとりなど無かったのだろう。
いかに早く、イメージを検証し収益モデルへ昇華するか。
プログラミングと統計解析によって、Rスクエアの僅かな値を撃ち抜く!
想像力が現実世界へ着地する瞬間の恍惚だ。
「システム」とは?
そんなもの後回しに決まってるだろう。
しかしながらそんな情熱に満ちた先輩方が、その超絶技巧によって数千万、あるいは億という資産を築きながらも、相場から去っていく現実がある・・・。
日々更新される記事を見ながら、相場とはこれ程のものかと、自分の身に起きた事のように悔しかった!
システムトレーダーの存在とはこんなものか!?
これ程の努力をし、実力がありながら、人生を改めなければいけないのか!!?
想いを語ればきりが無いほど長くなるが、今はその分析をしなければならない。
先輩方の姿から余すところなく学んでいくんだ。
少し感情的になり回り道したが、先輩方が語ることのなかった「システム」という一見自明の概念を、今一度考え直そう。
さて、「システム」とは・・・
(つづく)
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